ホントはど~なの!?検証・ザ・首都高

第19回 読者リクエスト企画!「そもそも渋滞って何?」 2010年02月16日更新

「検証・ザ・首都高」一覧

これまで、客観的に硬派な分析をしつつも、その結果は誰にでも分かる記事にしようと心がけてきたつもりでしたが、そんなWalileoの想いは、まだまだ努力不足だったことを前々回の編集後記(http://www.shutokodeikou.jp/kensho/article/17.html)でご紹介しました。
そこで今回は、「検証・ザ・首都高」が皆様にお伝えしたい内容を想像するための「キホンのキ」として、「そもそも渋滞って何?」と題し、渋滞発生の原理を身近な例えで解説したいと思います。
文字通り「キホンのキ」ですので、知らない人は「予習」に、知っている人は「復習」として読んでみて下さい!
何事も「基本」は大切なので、今回は、渋滞王子Tsukasaと傾奇者Walileoに加え、渋滞王うっちぃを招聘し、「渋滞三銃士」の分析・執筆でお届けしたいと思います。

身近な渋滞?

どんな例えなら、どなたにも理解してもらえるのだろう...今回、これが一番難しい命題でした。
渋滞三銃士で議論を重ねた結果、「蛇口と容器(筒と排水口)」の関係を使って説明しようということになりました。これは、「自動車(交通)の流れ」という表現からも想像できるように、道路上を移動する車は、液体に例えられることが多いことと、全ての方が「蛇口と容器と排水口」なら想像してもらえると思ったからです。

(1)まずは、左の絵をご覧下さい。蛇口、太さの異なる場所(筒と排水口)がある容器の絵です。

(2)さて、ほんのチョット蛇口を開けてみると...水が容器に入って行き、そのまま下に流れていきます。

(3)もぉ少し蛇口を開けてみると...さっきより沢山の水が容器に入って行きますが、溜まらずに下に流れていきます。

(4)更に蛇口を開けてみると...あれれ?更に沢山の水が容器に入って行き、水が溜まり始めました。

(5)そのまま暫く放置してみると...どんどん水が容器に溜まっていき、溢れそうになっています。

(6)溢れそうになったので、蛇口を少なめの開け方(「(2)」と同じくらい)にしてみると...(3)のときには水が溜まっていなかったためそのまま流れたのに、今度は徐々に減ってはいくものの、まだまだ溜まったままの状態がしばらく続いてしまいます。

(7)思い切って蛇口を完全に閉めてみると...ドンドン容器に溜まった水が減っていきます!

勘の良い皆さんなら、上の一連の絵が何を意味しているか、お分かり頂けましたよね?
そぉ、水が「車」、容器が「道路」、水が溜まった状態が「渋滞」になります。上の解説を、これらに置き換えて読んでみて下さい。

今回用いた例えでは、同じ容器(道路)に、太さの異なる場所(筒と排水口)が存在することがミソで、排水口(狭い場所)が、いわゆるボトルネックとなります。ちなみに、ボトルネックは日本語で言うと「隘路(あいろ)」です。文字通り、狭い(隘)場所になりますね。
チョット専門用語になりますが、この排水口の能力が「容量」、蛇口(から出る水の量)がいわゆる「需要」ってことになります!

水(車)が溜まらなくする(渋滞しなくする)には...?

上の例えを引用して、水(車)が溜まらなくする(渋滞を防止する)方法を考えてみたいと思います。
頭を柔らかくして、水が溜まらない方法を考えると、大きく分けて、「蛇口」をどうにかするのと「排水口」をどうにかする、2つの方法があると思います。

まず、蛇口(需要)をどうにかするには...



・蛇口を開けない。(閉め切る。)
 これは、究極の方法ですが、道路ならば車が通らないことになりますので、本末転倒ですね。
・蛇口の開け方を調整する。
 考え方は現実的ですが、「うまく」調整するっていうサジ加減が難しそうです。


一方、排水口(容量)をどうにかするには...

・筒の部分と差をつけない。
 筒の部分に比べて排水口が狭いことが原因ですが、そぉ出来れば最初からしますよね。
排水口を拡げる or 排水口を増やす
 頑張れば出来そうですが、「うまく」拡げるor増やすっていうサジ加減が難しそうです。

実は、上記の「蛇口の開け方を調整」と「排水口拡大 or 排水口増設」は、実際に行われているのです!

実際には、どのように行うの?

首都高で実際に行っている事例を、簡単にご紹介します。
まず、「蛇口の開け方を調整」について。これは、事故などで激しい渋滞が起きた場合に、入口からの車両の流入を一時的に抑制するというものです。鉄道でも、トラブルなどで電車に大きな遅れが生じてホームに人があふれそうになったら、改札口で入場を制限したりしますよね。
また、「排水口拡大」は、現状の車線数では渋滞してしまう場合に1車線追加して交通の流れをスムーズにするというもの。2年ほど前に湾岸線で実施し、大きな成果を挙げています。
一方、「排水口増設」は、目的地へ向かう際の経路を新たに一つ増やすことで、特定の箇所への交通集中を緩和するというもの。これに関しても、2年ほど前に『山手トンネル』(4号新宿線~5号池袋線間)が開通、環状ネットワークの整備によって、集中緩和の成果を挙げています。そしてみなさん、来る3月28日にも、この『山手トンネル』の延伸がなされようとしているのです!
次回は、これらの実例を中心に、続編をお届けしたいと思います!

編集後記

どなたにでも分かりやすくと思っていても、知らず知らずのうちに、勝手な思い込みによる「当たり前」が、自分の中にあったことを反省しています。「行動」の始まりは「理解」にある訳ですから、今回の企画は、自分自身の「理解」を確認する意味でも良い機会だったと考えています。
反省の弁は、ここまでにして...日常生活では、意図的に渋滞を作ることがあります。バスタブにお湯を溜めるなんてのも、その一つかもしれません。早く水を溜めたければ蛇口を全開(需要を最大)にして排水口を閉める(容量をゼロ)にしますし、早く水を抜きたければ蛇口を閉めて(需要をゼロ)にして排水口を全開(容量を最大)にしますもんね。
道路は一朝一夕に増えたり拡がったりしないので、自ら選べる蛇口を飛び出すタイミング(出発時刻)を賢く選択して、渋滞構成員の一人になることは避けたいものですね!
さて次回は...今回紹介したの「キホンのキ」を基に、応用編を渋滞王うっちぃと渋滞王子Tsukasa、傾奇者Walileoの渋滞三銃士で執筆・紹介したいと思います!今回と合わせて、首都高と渋滞を語るなら必ず知っておきたい豆知識を掲載予定ですのでお見逃しなく!(傾奇者Walileo)